(注記)

 

このページに掲載される各情報は、各ページ作成時に公表されている資料をもとにしています。

 

資料に関しては、すべての情報が利用可能な状況ではありません。

たとえば、東京電力並びに政府は、事故発生時から2011/03/12午前3時ごろまでのプラントに関するパラメーターをほとんど公開していません。 (2011/05/11現在)

もちろんこれには、技術的な理由もあるのですが、その他にも、誰にもわかっていない、見えていないこと等もまだまだたくさんあります。

 

2011/05/16 東京電力は訂正版のパラメーターを公開、さらに膨大なプラントデーターを公開しました。

 

 

また、作成者の知識並びに調査能力、理解力の限界があります。(この底は相当浅いものです。)

 

したがって、事故の要因、程度等については、未確定です。

正確な事故の要因、事故の拡大進行の過程、程度や影響等の確定には、法的な権限を持った正式な組織(事故調査員会等)の調査や捜査を待たなければなりませんし、相当の時間がかかるものと思います。

 

事故調査委員会には、事故の技術的な側面だけでなく、事故対応における、総理および政府並びに関与した政治家、専門家、各関連機関の果たした役割(プラス、マイナス両面)についても調査検証をしていただきたいと思います。

 

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Personal Interests Research and Data Storage

2011/06/09

 

 

SPEEDIとは別に、

放射性物質の大気中での拡散予想が行われています。

その一つが気象庁によるものです。

 

これはIAEAの要請に基づき、行われたものです。

要請といっても、事故以前から決められた枠組みの中で行われたものです。

 

「IAEAまたはWMOメンバー国が必要と考えた場合に放出源に関する情報を示してRSMCに計算を要請し、各RSMCはそれに従って、あらかじめ決められた方法で大気中の放射性物質の動向を計算し、その結果を要請元に回答します。」

 

気象庁はRSMCの一つとして、1997/07から活動しているそうです。

地区特別気象センター(Regional Specialized Meteorological Center: RSMC)

世界気象機関(WMO) http://www.wmo.int/pages/index_en.html

http://www.wmo.int/pages/prog/www/DPFSERA/EmergencyResp.html

 

 

入力サイド(Xの側)

 

IAEAが指定する放出に関する条件:

・対象とする放射性核種 

・放射性物質の放出場所(緯度・経度・高度) 

・放出の想定時間 

・放出量

 

 

出力サイド(Yの側)

 

3つの物が作成されます。

 

・流跡線 

「ある地点から放出された物質が、大気の流れに沿ってどのように流されるかを推定し、一定時間間隔でその位置を記入し結んだもの。単位はありません。」

 

・地上から標高500メートルまでの大気中の濃度分布 

「ある地点を通過する放射性物質の濃度について、24時間間隔で72時間先まで時間積分し、同じ値となる地点を結んだもの。単位は、放出の想定にあわせ、仮にBq・s/m3(ベクレル秒毎立方メートル)としています。」 

 

・地上への降下量 

「事故発生時から最終予報時刻までに大気の流れによって運ばれた放射性物質が雨や風によって地表面へ降下する量を計算し、同じ値となる地点を結んだもの。単位は、放出の想定にあわせ、仮にBq/m2(ベクレル毎平方メートル)としています。」

 

 

この業務における分解能は 100km * 100km

100km四方を一つの単位として扱います。

http://www.jma.go.jp/jma/kokusai/kokusai_eer.html

 

(画像をクリックすると大きくなります。)

jmaeer.jpg (134890 バイト)

気象庁が作成したものの1つ

 

 

2011/03/11-05/23

(IAEAからの要請終了により作成終了)

全部で44回の資料提供がされています。

http://www.jma.go.jp/jma/kokusai/eer_list.html

 

 

こちらに関しても公開に関する問題がありました。

 

気象庁しては、事前の取り決めにしたがってIAEAに頼まれたものを作りIAEA側に送る。

=業務完了。

という事で、一般に公開するという頭はなかったようです。

 

また、分解能からも、100km四方をべたぬりするような資料が、

国内の避難などの判断に役に立つとは思えなかったのでしょう。

 

いろいろな批判を浴びて、

04/04枝野官房長官が公開するべきと申し伝えたそうです。(記者会見記録より)

 

 

 

他にも、

ドイツ

http://www.dwd.de/

ノルウェー

http://transport.nilu.no/

などで、似たような予想図が公開されていたようですが、2011/06/10の時点では、アクテイブではありません。

どういう前提というか仮定のシミュレーションなのかも不明です。

(ドイツ語もノルウェー語もできないでの…すいません、 英語のページでは仮定条件など詳細は分かりませんでした。)

 

イギリス

http://www.weatheronline.co.uk/

フランスのIRSN

アメリカのNOAA

ノルウェーのNILU

オーストリアのZAMG

などシミュレーションが見れます。

 

一例ですが、ZAMGの”Total deposition”の仮定は

”Total deposition of iodine-131 at ground level between March 15th and March 25th 2011. Data was calculated using model simulation assuming a constant release of iodine-131 of 10 to the power of 17 Bq/day.”

だそうでうです・・・・

ヨウ素131だけで10の17乗が10日間毎日出続けるって・・・・どうなんですかね・・・・

 

というような感じで、これらについて興味のある方は、上記リンク先などから、使われたモデルや前提条件などをより深く調べてみてください。

 

 

 

 

 

後だしジャンケンというか、今考えれば、

(放出源情報が不明という事態において)

 

一般の人にとって、当時最も有益な情報は、

単純な風の情報や予想だった思います。

(それで、当時、人々が納得したかは別として)

 

それすらも、震災による直接間接の影響でどれだけ充実できたのかという問題もありますが・・・

(観測や予測だけでなく、どのように被災者個々に伝えるかも含めて・・・・)

 

 

この辺も、今後の検証対象であり、課題だと思います。