(注記)

 

このページに掲載される各情報は、各ページ作成時に公表されている資料をもとにしています。

 

資料に関しては、すべての情報が利用可能な状況ではありません。

たとえば、東京電力並びに政府は、事故発生時から2011/03/12午前3時ごろまでのプラントに関するパラメーターをほとんど公開していません。 (2011/05/11現在)

もちろんこれには、技術的な理由もあるのですが、その他にも、誰にもわかっていない、見えていないこと等もまだまだたくさんあります。

 

2011/05/16 東京電力は訂正版のパラメーターを公開、さらに膨大なプラントデーターを公開しました。

 

 

また、作成者の知識並びに調査能力、理解力の限界があります。(この底は相当浅いものです。)

 

したがって、事故の要因、程度等については、未確定です。

正確な事故の要因、事故の拡大進行の過程、程度や影響等の確定には、法的な権限を持った正式な組織(事故調査員会等)の調査や捜査を待たなければなりませんし、相当の時間がかかるものと思います。

 

事故調査委員会には、事故の技術的な側面だけでなく、事故対応における、総理および政府並びに関与した政治家、専門家、各関連機関の果たした役割(プラス、マイナス両面)についても調査検証をしていただきたいと思います。

 

 

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食品・飲料についてのCODEX基準(co)

 

国内法と規制
(dl)

国内食品の暫定基準(df)

 
国際機関による
基準や勧告
(il) 
食品・飲料についてのCODEX基準(co)

緊急時被ばくIAEAとICRP(em)

事故後の現存被ばくICRP(pr)

 

 

 

Personal Interests Research and Data Storage

2011/07/28

 

 

食品・飲料水の基準に関するもの

 

食品・飲料についてのCODEX基準

 

 

1)World Health Organization (WHO) と、

The Food and Agriculture Organization of the United Nations (FAO) は、

両機関合同の委員会である”Codex Alimentarius Commission”が定めた、

食品や飲料などに含まれるTOXINSについて基準を示しています。

 

 

CODEX STAN 193-1995

”CODEX GENERAL STANDARD FOR CONTAMINANTS AND TOXINS IN FOOD AND FEED”

(1995年に作られ、96,06,08,09にリバイズ、09,10にアメンドされています)

WHOのHPからダウンロードできます。

http://www.codexalimentarius.net/download/standards/17/CXS_193e.pdf

 

 

この中で、

核または放射性物質に関する緊急事態が発生した後に、国際的に取引されれる食品に関するガイドライン(Codex Guideline Levels (GLs))を示しています。

 

そして、このガイドラインを超えないものは、人間が消費しても安全なものとするとしています。

 

(一方で、このガイドラインを超えても、国内流通させるべきか、また、その条件については、その国の政府が決めるべきとしています。)

 

さらに、スパイスなど少量しか使わないものに関してはガイドラインの10倍までは大丈夫としています。

 

 

CODEX ガイドライン

(注:但し書きなどが付されれいます。正確さを期す場合は、原文にあたって下さい。)

 

Representative radionuclides 

(放射性物質)

Level in Bq/kg

     

Infant foods (乳幼児用)

Pu238, Pu239, Pu240, Am241

1

Infant foods (乳幼児用)

Sr90, Ru106, I129, I131, U235

100

Infant foods (乳幼児用)

S35, Co60, Sr89, Ru103, Cs134, Cs137, Ce144, Ir192

1,000

Infant foods (乳幼児用)

H3, C14, Tc99

1,000

     

Foods other than infant foods (一般向け)

Pu238, Pu239, Pu240, Am241

10

Foods other than infant foods (一般向け)

Sr90, Ru106, I129, I131, U235

100

Foods other than infant foods (一般向け)

S35, Co60, Sr89, Ru103, Cs134, Cs137, Ce144, Ir192

1,000

Foods other than infant foods (一般向け)

H3, C14, Tc99

10,000

 

 

 

(乳幼児: 生まれて1年の期間)

 

 

ここで、ちょっと問題というか引っかかる部分がありますよね!

国際的に取引される食品という点です。

これは、緊急事態が起きた国から、食料品を輸入する際の基準・ガイドラインなんです。

 

じゃー、日本には直接あてはめられないのー? と諦めないで〜〜〜〜〜〜w

 

CODEXに書かれている説明を読むと、このGLを決める前提条件が書かれています。

 

主なものは

○摂取量

一般の人は、年間550kgの食品をとる

乳幼児は、年間200kgの(乳幼児用フードとミルク)をとる

 

 

○輸入依存度

輸入に頼る食品の量: 全体の10%が輸入と仮定

 

○1年間の継続

1年間汚染の状況と、輸入依存度は変わらない

 

 

これらの条件で、緊急事態が発生後1年間、GLレベルのもを食べ続けて、1mSvを超えないようにGLを定めています。

 

ふむふむ、ここまでわかるといろいろ応用できますね!

例えば、輸入依存度を100%にする(=汚染されたもしか食べない)のであれば

GLの1/10までの汚染なら安全だねという事ができるでしょ。

 

また、この基準の汚染レベルが1年間続くというのは、

半減期の短い核種についてあり得ない前提だともわかるので、

(新規の大規模な放出が続かない限り)

I131(ヨウ素)などについては、この基準を満たしているものは相当安全だねとも思えますよね。

 

そして、そういえばセシウムに汚染された藁を食べた牛さん

暫定基準値は500Bq/kgだった・・・

あれ、セシウムだけならCODEX基準の半分だね・・・・ふむふむ

て言う事は・・・全食料の20%がこのレベルでも1mSvに到達しないな、 

みたいな比較もできますよね。

 

日本の暫定基準値は

国内食品の暫定基準(df)

をご覧ください。

 

 

さらにCODEXでは、親切に(?)、GLのもを1年間、上記の条件で摂取た場合の実効線量も示しています。

(注:但し書きなどが付されれいます。正確さを期す場合は、原文にあたって下さい。)

  Effective dose (mSv)

 

Infants

乳幼児

Adults

大人

Pu238

0.08

0.1

Pu239

0.08

0.1

Pu240

0.08

0.1

Am241

0.07

0.1

     

Sr90

0.5

0.2

Ru106

0.2

0.04

I129

0.4

0.6

I131

0.4

0.1

U235

0.7

0.3

     

S35

0.2

0.04

Co60

1

0.2

Sr89

0.7

0.1

Ru103

0.1

0.04

Cs134

0.5

1

Cs137

0.4

0.7

Ce144

1

0.3

Ir192

0.3

0.08

     

H3

0.002

0.02

C14

0.03

0.3

Tc99

0.2

0.4

 

 

 

 

 

 

検出された核種

年齢別、経口摂取による内部被ばくの計算については

BSS 年齢グループ別 内部被ばく実効線量係数 (IAEA BSS より)

をご参照ください。

より詳しい食べモノから内部被ばくの計算が可能かと思います。

 

 

 

電離則に掲載されている、

検出核種に関する、吸引・経口摂取の係数は、

電離則内部被ばく計算実効線量計数 (den)

を参考にしてください。

 

 

 

 

2)WHOは、

"Guidelines for drinking-water quality, fourth edition World Health Organization 2011"

で、飲料水に関するガイドラインを示しています。

Chapter 9 Radiological aspects

で、放射性物質のガイドライン等を示しています。

 

ガイドラインは、汚染の状況が一定で、成人が1年間飲料として使用した場合、0.1mSvを超えないように設定したものです。

(複数の核種を含む場合はその総和について考えなければなりません。)

 

ガイドラインの一部

 

Dose coefficient (Sv/Bq)

ガイドライン Bq/L

Cs134

1.9E-08

10

Cs137

1.3E-08

10

Sr90

2.8E-08

10

I131

2.2E-08

10

 

 

 

U238 4.5E-08 10
U234 4.9E-08 1

P239

2.5E-07

1

Am241

2.0E-07

1

 

日本の暫定基準は、I131で成人:300Bq/L、乳幼児:100Bq/Lです。

これは、上記の基準より高い事が、話題となりました。

 

WHOのガイドラインは平常時のもので、

”The individual dose criterion (IDC) of 0.1 mSv/year represents a very low level of risk that is not expected to give rise to any detectable adverse health effect.”

という事で、極めて安全サイドに振ったものです。

 

さらに、同文書の中でWHOは次のように書いています。

たとえガイドラインを超えていても、

”Hence, such a result does not in itself imply that the water is unsuitable for consumption.”

という事で、飲んじゃダメというものではないよと・・・

 

そして、行政サイドというか、リスクコミュニケーションを行うサイドは、

”It should be clearly explained that guidance levels should not be interpreted as mandatory limits and that exceeding a guidance level may be taken as a trigger for further investigation, but it is not necessarily an indication that the drinking-water is unsafe.”

ガイドラインが強制的なリミットではないこと、

ガイドラインはさらなる調査へのトリガーであって、

ガイドライを超えたからといって安全ではないという事ではない、

という事を、明確に説明してちょうだいと・・・・