(注記) |
このページに掲載される各情報は、各ページ作成時に公表されている資料をもとにしています。
資料に関しては、すべての情報が利用可能な状況ではありません。 たとえば、東京電力並びに政府は、事故発生時から2011/03/12午前3時ごろまでのプラントに関するパラメーターをほとんど公開していません。 (2011/05/11現在) もちろんこれには、技術的な理由もあるのですが、その他にも、誰にもわかっていない、見えていないこと等もまだまだたくさんあります。
2011/05/16 東京電力は訂正版のパラメーターを公開、さらに膨大なプラントデーターを公開しました。
また、作成者の知識並びに調査能力、理解力の限界があります。(この底は相当浅いものです。)
したがって、事故の要因、程度等については、未確定です。 正確な事故の要因、事故の拡大進行の過程、程度や影響等の確定には、法的な権限を持った正式な組織(事故調査員会等)の調査や捜査を待たなければなりませんし、相当の時間がかかるものと思います。
これは私見ですが、 事故調査委員会には、事故の技術的な側面だけでなく、事故対応における、総理および政府並びに関与した政治家、専門家、各関連機関の果たした役割(プラス、マイナス両面)についても調査検証をしていただきたいと思います。
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This page is: Main Category: 事故経緯とパッシブフェーズ (AP) Sub Category: トレンチ並びに建屋汚染水(tto) |
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Personal
Interests Research and Data Storage 2011/09/02
2011/06/20 作成開始 9/02 情報追加
福島第1原子力発電所は津波の影響をうけ、タービン建屋等の地下階に水が浸入している事は当初から認識されていました。
しかし、当初は、 単に水(海水)としての危険性(電気設備への悪影響、腐食、作業の阻害要因)が認識されている程度で、
・放射性物質を大量に含んだ高濃度汚染水であること ・量が増え続けること
は認識されていないようでした。
汚染水の深刻さが、明らかになりだすのは、2011/03/24ぐらいからです。
03/24 3号タービン建屋地下で電源ケーブルの敷設作業した協力会社作業員が被曝。(詳しくはこちら・準備中) 地下のたまり水が原因と認識される。 (事前のサーベイでは高線量と認識されていななかった)
調査の結果、水の表面線量は約400mSv/h 濃度は3.9E+6(Bq/㎤)と発表される(*下記をご覧ください)
危険性の認識がされ、調査が行われ、対応策がとられ始めます。
03/27 1-3号機の外部にあるトレンチ立て抗でも、水を確認。 表面線量が 1号機で、0.4mSv/h 2号機で1000mSv/h以上 3号機は瓦礫のため確認できず。
3/28 集中環境施設 プロセス主建屋の地下でもたまり水が確認されます。
その後、汚染水の核種分析が行われますが、当初の分析に疑義があり確認されることになります。 (詳しくは Main Category:モニタリングと核種分析 (MO) Sub Category: モニタリングと核種分析 (mo) をご参照ください) 核種分析の確報値は4/20に発表されました。 (画像をクリックすると大きくなります。)
検出された核種の詳細は東京電力 地下トレンチ たまり水核種分析 (ttkaku)をご覧ください。
この危険で障害となる汚染水を、安定的に保管できる場所へ移すことが求められます。
当時は、 汚染水が効能であることから、燃料由来であることは断定できるものの、 圧力容器の燃料に触れた水なのか、プール内の燃料が損傷して、プール内の水がもれているのかなどは不明です。
流入量についても、 圧力容器内の燃料を冷やすために水を注入しているのですが、どの程度の水が直接、または蒸気の凝縮によって水となり、格納容器外に出て、建屋側に流入しているかも不明です。
また、 流入経路や地下階でどのように水が行き来しているのかも不明です。
東電は、当時、大量に水が流入してくるとは考えていないようでした。
最初に考えられた、汚染水の移動先は、 各タービン建屋にある復水器(発電に使った蒸気を水に戻す装置)です。 水漏れの心配も格段に減りますし、遮蔽も期待できるので合理的な選択だと考えられます。
ただ復水器内には水があるため、まず復水器内の水を抜かなくてはならず、その受け先の復水貯蔵タンクの健全性の確認と復水貯蔵タンクの水の移送が、その前に必要なことが判明。 復水貯蔵タンクから、サプレッションプール水サージタンクへ水の移送が行われる事になりました。
もう一つは集中環境施設 プロセス主建屋の貯槽で、こちらはもともと汚染水を扱う施設です。 (画像をクリックすると大きくなります。)
貯蔵容量 単位 ㎥
貯蔵容量 単位 ㎥
3/24から 汚染水の移送に関する作業を開始しています。 (詳しくはトレンチ並びに建屋汚染水 各号機移送タイムライン(ttotl)をご覧ください。)
4/2-6 しかし、本格的的な汚染水の移送が始まる前の段階で、 (もともと、予定の受け入れ先にもすでに水が存在し、それらのやりくりに苦労していました) 高濃度汚染水が、2号機秋水口付近から流出します。 (詳しくはトレンチからの 高濃度汚染水流出 (ryu)をご覧ください。)
復水器への水の移動や、4号TB建屋を低濃度汚染水の受け皿に使うなどの方策も試みられますが、 うまくいきませんでした。
そのため、高濃度汚染水を大量に受け入れることが出来る方策を至急準備しないとなりません。 そこで、集中環境施設の建屋をタンク代わりに利用することになります。
4/4-9 しかし、集中環境施設の地下にも水は侵入していたので、 受け入れ先のないそれらの水(低濃度とはいえ汚染されています)は、やむを得ず放出されることになります。
また同時に、5,6号機も地下水側からの浸水にから、安全確保に必要な機器を守るため サブドレインの水(こちらも低濃度ですが汚染されています)を海へ放出することになりました。 (詳しくは低濃度汚染水の 放出 (hou)をご覧ください。)
4/7 タービン建屋内の溜まり水の集中廃棄物処理施設への排水準備のため、 2〜4号機タービン建屋の外壁(ルーバー含む)に孔あけを実施。 移送用歩ホースを通すルートづくりです。(環境への直接漏出のリスク低減と、遮蔽のため) (画像をクリックすると大きくなります。)
放水後、集中環境施設側の止水工事、地震の影響評価などの事前チェックを受け
4/19 保安院の許可受け、プロセス主建屋への高濃度汚染水の移送が始まります。 (前回と異なり、プロセス主建屋そのものをタンクとして使います) (画像をクリックすると大きくなります。)
最初の移送計画では、移送量は10,000㎥でしたが・・・ 増える汚染水と、なかなか恒久的な水処理施設の準備が整わないため移送量の変更が行われます。 (水処理施設については、ロードマップとアクティブフェーズで扱う予定です。)
そして、雑固体廃棄物減容処理建屋も、汚染水の移送先として利用されます。5/17-25
プロセス主建屋・計画移送量の変更
雑固体廃棄物減容処理建屋
(画像をクリックすると大きくなります。)
最終的には、建屋周りの地下水レベルよりも低くする(およそ90cm以下)ことで、建屋側から地下水側への漏出を防げる高さまで移送するようです。 地下水側への漏えいについては、サブドレインの水の分析により確認するとしています。 (集中廃棄物処理施設周辺サブドレインの核種分析はこちらをご覧ください。)
5、6号機側でもたまり水に関する対策が取られています。
4月から低濃度汚染水を受けいる仮設タンクの搬入設置を行い、5/1より受け入れ開始。 5/31 12200㎥分(計画量)の設置が完了 (6/2 9:00時点で、4134㎥の移送) (詳しくはトレンチ並びに建屋汚染水 各号機移送タイムライン(ttotl)をご覧ください。) (画像をクリックすると大きくなります。) 6/30 仮設タンクからメガフロートへの低濃度汚染水の移送開始
高濃度汚染水の受け入れ側のターゲットは、上記しましたが、 吸い出し側(タービン建屋やトレンチ立て抗)の水位レベルもコントロールしたい事情があります。
東京電力はタービン建屋、トレンチ立て抗の水位を O.P.4000mm を超えないようにコントロールすることを目標にしています。
O.P.4000mm は、海側ヤードと呼ばれる、取水口などがある開渠側の部分の地盤面です。
原子炉建屋、タービン建屋等の主要な施設があるのは O.P.10000mm と、一段高い地盤面です。 (画像をクリックすると大きくなります。)
O.P.4000mm面からは、2度の高濃度汚染水流出事故があり、 (詳しくはトレンチからの 高濃度汚染水流出 (ryu)をご覧ください。) そのため、新たな流出を避ける意味で、たまり水の水位をO.P.4000mm以下に抑えようとしています。
事故後の調査では、O.P.4000mm盤へ流下する可能性がある経路の上部は 海水配管トレンチンみで、そこから汚染水が流れでていかないようにしようというのが基本的な考えです。 (画像をクリックすると大きくなります。)
流路上の立て抗、他のトレンチとの接合部、ピットなどは流出対策として閉塞されています。 (詳しくはトレンチからの 高濃度汚染水流出 (ryu)をご覧ください。)
したがって、O.P.4000mmを超えたらすぐ、汚染水が出てくるというのではなく 出てくる可能性が高まるというのが正解な表現だと思います。 もちろん、恒常的な水処理施設が1日も早く本格稼働して、汚染水流出の危機から逃れるのが一番ベストなのですが・・
たまり水水位 (画像をクリックすると大きくなります。) 各号機の移送の状況については、トレンチ並びに建屋汚染水 各号機移送タイムライン(ttotl)をご覧ください。
2011/06/02 東京電力は、汚染水の保管・処理の計画を保安院に提出・公表しています。 この中で、汚染水の予測も行われ、水処理施設が全く稼働しないと、 早ければ6/20 引き伸ばしても6/29から7/2ぐらいにO.P.4000mmに到達するとされています。 詳しくは、東電公表資料をご覧ください。(準備中)
*6/20現在: 水処理施設はまだ本格稼働が出来ていません。
また、同報告の中で、5/31時点のたまり水の推定量と、1-4号の原子炉建屋、タービン建屋間の水の行き来についての情報があります。
建屋地下での水の行き来 1号では、原子炉建屋の地下のたまり水水位は変化するのに、タービン建屋の水位に変化がないこと、 3号と4号機のタービン建屋の連動性についての推定です。 (画像をクリックすると大きくなります。)
2011/05/30 東京電力は、施設の地下のたまり水マップを公開しています。 (画像をクリックすると大きくなります。)
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